サンフェリペ・プエブロ コーンダンス San Felipe Pueblo, Corn Dance [2016 USA Puerto Ricoの旅]

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アルバカーキーから北へ20分ほど走ったところに、サンフェリペ居留地がある。
ここはkインディアンの部族の居留地で一般の人間は入ることは出来ない。
ただ、毎年5月1日は「コーンダンス」という収穫を祈って踊る伝統的な部族のお祭り
の日で、外部の人間も村に入ることが許されている。

日本にいるときから部族の生の姿に接してみたいと思っていたが、ちょうど旅行期間中
に運良くお祭りの日が重なり訪れてみることにした。

村の入り口から渋滞のノロノロ運転が始まっていた
ノロノロと道を進み部落の中を通過していく。村の様子はどこか中南米の片田舎風でも
あり、その素朴さ、ある意味での貧しさがアメリカにいることを忘れさせる。
村のあちこちに部族警察が立っている。警察といっても若い部族員がお揃いのTシャツ
を着て立っているだけでアメリカの警官とは大違いだ。

何とか村の外れに車を駐車させ祭りの場所へと歩いていく。すれ違う女が伝統的な
幾何学模様のブランケットを身にまとっている。顔立ちはインディアンの血を引いていると
思わせるものだ。中には日本にいそうなおじちゃん顔も見かけ、ベーリング海峡を
超えてアメリカ大陸に渡って行った我々と同じ種族なことを想起させる。

ようやくだだっ広い広場に出た。そこには素朴な食べ物の屋台と商品を売る店が
ちらほらある。その中を人々が行き交う。ほとんどが部族の人達だ。子供達が走り回って
遊んでいる。どこか懐かしさを感じさせる風景だ。カメラを取り出し1枚写真を撮ると
向こうから来た一団の一人に、「撮影は禁止だよ。見つかると没収されるよ」とたしなめ
られた。すぐさましまい、歩いて行くと音楽が聞こえてきた。その方向へ進んで行くと
人だかりがあった。人混みを押し分け中に入ってみた光景は生涯忘れられないものだった。

建物の真ん中に学校の運動場くらいの広場があり、そこに300人ほどの人がリズムに
合わせて体を揺らしながら前進している。正面の建物の上部には、バッファロー、エルク、
鹿の頭の剥製が合計9体掲げられている。男は上半身裸で民族衣装の後ろにはキツネの毛皮
を垂らしている。女は黒の民族衣装でモカシンを履いている。気温は低くかなり肌寒い
日であったが、男達が寒がる様子は見られない。観客も部族民が多く、白人の見物客は
わずかだ。

しばらく踊りの様子を眺める。周りを取り囲む岩山の風景と大勢のインディアンの末裔
達が集まっているシチュエーションに呆然と立ち尽くしながら感性のアンテナをフル回転
させる。しかしただただ目の前の光景が目と耳を通じて圧倒的なパワーで押し迫るのを
感じるのがやっとだった。

この日に旅行に来れたことに何か運命的なものがあるのではと思いたく糸口を探す。
しかし何かが起きることはなかった。
ただ吹いていた風の音とインディアンの末裔たちの表情はいつまでも脳裏に残っている。


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